色とりどりのインディーゲームが並んだ「東京ゲームショウ2023」(以下 TGS2023)。
「Selected Indie 80」といったインディーズゲームに焦点があてられた企画が展開されるなど、大きな盛り上がりを見せてくれた。
過去最多となるエントリー数があり、その中でも実際に出展された殊玉のタイトル達を運良く試遊をすることが出来たので、印象に残ったタイトル達を紹介していく。
TGS2023にインディーゲームのパブリッシャー「Phoenixx」と「GYAAR Studio」が出展していたのでブースをレポート!インディータイトルを試遊してみた
インディーゲームコーナーをレポート!
UNDEFEATED GENESIS
スーパーヒーローアクションゲームである本作は試遊版が展示されていた。
コーラス・ワールドワイドがパブリッシングをしている本作の魅力は、なんといっても「ヒーローの様に飛べる」「強力な」であると感じた。
ゲームパッドのYボタンで飛行モードの切り替えが可能なのだが、ワンボタンで大空を翔ることがとても気持ちがいい。
滑空ではなく誰もが想像している飛行をすることができ、物凄い速度でオープンワールドを駆け巡ることが可能だ。
操作方法も直感的で試遊してすぐにヒーロー体験の一端を体験出来た。
またプレイヤーは「超能力」を扱うことができ、大きくエネルギーを消費して大ダメージを叩き出す技が4種類存在した。
その中には目からビームを出したり、お馴染みのポーズで力を溜めて大きなエネルギー波を出したりといった有名なヒーローの技を意識している様なアクションもあり、それらも勿論気持ちのいい内容に仕上がっていた。
また攻撃することで「地形を削る」ことも出来た。
これにより様々なアイテムを入手出来たり大きな岩の下に穴があったり等、遊び方に広がりを見せてくれた。
これだけでなく攻撃する技のパワーに応じて地形の削れ具合も大きくなるので、スーパーヒーローの強大さも体感出来る。
「ヒーロー」に対する愛とリスペクトを感じられる今作は現在、Steamにてウィッシュリストの追加が出来るので気になる人はストアページをチェックしよう。
また前作である「UNDEFEATED」はSteamにて無料でダウンロードして遊べるので待ちきれない人はこちらも要チェックだ。
Star Leaping Story
本作は横スクロールプラットフォーマーアクションゲームで、Demo版が展示されていた。
ドット絵が可愛らしい見た目をしているが、独特な空中ダッシュシステムによりかなり骨太なアクションゲームとなっていた。
空中に落下するとスペースキーで空中に留まることができ、その際に矢印キー(↑↓→←)を入力するとその入力した方向にダッシュアクションをする。
ダッシュアクション中に再度矢印キーを入力すると、ダッシュを継続したまま方向転換出来るので、それを利用して複雑な地形をかいくぐりながらステージのゴールを目指していくゲームだ。
ダッシュをすると「慣性が働く」ので制御していきながらステージをサクサク進むのだが、この慣性を制御していくのがかなり面白いゲームとなっている。
ただダッシュには回数制限があるので、気を付けながらステージを進まなければならない。
安全な地面に着地するとダッシュ回数が回復するので、また壁に当たったりトゲに当たって失敗してもすぐに最後に到達したセーブポイントでやり直せる仕組みとなっている。
何回もトライ&エラーを繰り返してステージを突破するゲームとなっている。
シンプルなルールで直感的な仕組みをしているので、言語が分からなくても遊べてしまうのも良い所と感じた。
またトライ&エラーのサイクルが速く「やめ時を見失ってしまう」くらい遊んでしまった(筆者は20分くらい時間を忘れて楽しんでしまった)。
運動神経だけで遊べるゲームになりそうなので時間を忘れてゲームに没頭したい方や仕上がりの良いアクションゲームを遊びたい方向けにおススメのゲームだと感じた。
またドット絵が可愛らしいので、レトロゲームに馴染みのある方もスッと入りやすい。
2023年内にリリースされる予定なので発売されたら遊びたいと思う。
これを読んで気になった方はDemo版をダウンロードして、ウィッシュリストの追加も忘れずに行っておこう。
BQMR(BlockQuest Maker Remasterd)
BQMR(BlockQuest Maker Remasterd)は携帯機で遊ぶことが出来た。
こちらは上の2つのタイトルと違い既に大好評配信中とのことだ。
このゲームは作って遊ぶダンジョンメーカーゲームだ。
Remasterd版と書かれている通り過去に配信された同タイトルのパワーアップ版である。
このゲームの良い所は「作ったダンジョンを世界中の人に遊んでもらえる」「ギミックがとにかく多くダンジョンの作り幅がとても広い」ことだ。
筆者も遊んだ感想はとにかくギミックが多いと感じた。
スイッチやそれに連結した扉、置ける足場だけではなくNPCや通貨システムまで存在する。
謎解きしたりアクションでゴールまで辿り着いたり、モンスターを倒してレベルアップしたりと、これだけでもかなりのダンジョンがあなたを待ち構えていることだろう(軽く見ただけでも数えきれない程、ダンジョンがあったので無限に遊べてしまうだろう)。
スタッフの方のお話によるとすでに“数千以上のダンジョンが存在”しているとのことだった。
プログラミングの知識がゼロでも複雑なギミックが作れてしまう、拡張性としてエディタを使ったダンジョンも作れるのでより挑戦した場合はそちらを活用しても良いとのことだ。
他の同ジャンルのゲームと比較しても、これだけの魅力に満ちている本作は前述した通り既に販売されている。
Steam、PS5、XBOXで配信されているのでお手持ちのプラットフォームで是非遊んでほしい作品だ。
また過去作だが、Switchでも遊べるので上記のプラットフォームを所持していない方はチェックして欲しい。
百獣エスケープ
百獣エスケープは脱出ゲームだ。
筆者が遊んだステージは動物を5匹連れてゴールに向かえば良いといった条件だが、スタッフの方いわく他のステージでは別の条件が用意されているとのことだ。
シンプルな謎解きゲームの面白さはしっかり存在していたのに加えて、「動物達とおしゃべり」がユーモラスで楽しかったり可愛かったり怖かったりと普通の謎解きゲームだけでは得られない楽しさがこのゲームにはあり、単純に動物を見つけて話しかけるだけでもかなり楽しかった。
話しかけると結果として仲間として連れていけたり、ある出来事に協力してくれるので積極的に話掛けるとクリアにも繋がるとのことだ。
また百獣というだけあり「実際に100匹の動物がゲーム内に登場」するので、全ての動物を仲間にすることもクリア目標としてありそうだ。
またステージ内の動物はすべてが友好的ではなく、襲ってくる動物も存在する。
時には逃げてGameOverを回避する緊迫したシーンもあるので、怖そうな動物は事前に用心することが重要とのことだ。
気になった方は既に配信されているのでSteam、Switch、iOS、Androidで購入して遊ぶことが出来るので是非遊んでほしい。
MIRAGE: Ignis Fatuus
本作は長方形の箱を傾けてゴールまで運んでいく、ステージ踏破型の3Dパズルゲームだ。
カメラの角度や操作する箱を「傾ける」ことでステージの見え方が変わり道が繋がったり、箱の傾け方を変えることで進めない道を進んだりしてゴールを目指すことが主なゲーム内容だ。
シンプルなゲームだが行けない場所に行ける様になった時の、「あ!なるほど!」となる感覚がとても気持ちいいゲームとなっているのだ。
これは実際に触ることでしか体験出来ない感覚なので、Demo版や発売された際などは是非手に取ってほしい内容となっていた。
まだDemo版などが無く対応プラットフォームも未定だが、前作にあたるゲームがiOS、Androidで遊べるので良ければ遊んでほしい。
Out of the World
本作は2Dパズルゲームで「見えているモノしか存在しない」世界で、地形を“見て”実体化させてキャラを操作してゴールを目指すゲームだ。
また目を瞑って再び開けると実体化された地形が消えるので、それらを駆使したゲームとなっている。
かなり異色の内容となっている本作は、真っ黒なゲーム画面と相まって地形が出たり消えたりするスリルが堪らない作品となっている。
パズルゲームなのにこれはどうなるのだろう?と試したくなる一方で、消えて自分が落ちるかもしれない・・・といったスリルが何とも堪らない気持ちにさせてくれるゲームだった。
まさに度胸試しの感覚に近いと思った。
そんな“新感覚”な本作は既にSteamで配信されている。
50ステージも存在するのでかなり遊び応えがありそうだ。
是非手に取って遊んでみてほしい。
ODDADA
本作はなんとも不思議な「音を作る」ゲームだ。
正式にはゆったりとしたローグライト音楽制作ゲームで、自分だけの手作り音楽を楽しみましょうと紹介されている。
本作のゲームの進行を説明すると、かわいらしい列車が様々なステージへと連れてってくれる。
そのステージでは積み木の様にモノが降ってくるので、それをはめれる場所にはめたり置いたりすると音が出るようになる。
モノによって音が変わるので、それを繰り返して自分だけの音を作るという訳だ。
満足いく音が出来たら、列車に付いているボタンを押すと、次のステージに連れてってくれるのを繰り返すというのが本作のゲームの進行となる。
ステージが進むごとに、どんどん音が増えていくので少しづつ自分だけの音楽が出来上がっていくのが分かるのだ。
これ自体も勿論面白いのだが、筆者が思う本作の魅力は「音が出るだけでも楽しい」ことだと思う。
赤ちゃんにガラガラを振ると喜ぶ様に、ODDADAで音を出し鳴る音が変わると“なぜだか分からないが楽しい”のだ。
こんな音楽にしたい、これをはめるとどんな音が鳴るのだろうといった予想も楽しいのだが、音が出るだけで楽しい触感に仕上がっているのは筆者も驚きを隠せず満面の笑みになってしまった。
動画やゲーム画像を見るだけでは伝わらない本作は、現在Steamのウィッシュリストに追加でき、近日登場とのことなので是非配信された時はこの不思議な音楽制作ゲームを触ってみてほしい。
RED MASK
またインディーゲームブースではなくアカデミーブースにあった本作を紹介しておこう。
本作は「バンタンゲームアカデミー」の学生が制作している、2Dのアクションとガンシューティングが合わさったゲームだ。
学生作品ながらも硬派なアクションシューティングと仕上がっているので、是非配信された際には触ってほしい。
本作の魅力は、銃に込める弾丸と順番を考えるシミュレーションの面白さが魅力だ。
ステージを遊ぶ前に準備フェイズというものがあり、リボルバーに1発ずつ銃弾を仕込んでいったり、携帯していく銃弾を一発ずつ選ぶ時間が存在する。
弾には貫通弾、跳弾、通常弾の3種類が存在し、撃つ順番を予め決めておくことが出来るのだ。
そして出現する敵や位置があらかじめステージ毎に決まっているので、それらを覚えていきながら、トライ&エラーを繰り返してステージを攻略していくのが本作の主なゲーム内容だ。
一応ナイフでの攻撃で一撃で敵を倒したり、回避アクションで敵の銃弾を避けることは出来るが、かなりのリスクが伴うので失敗の危険度が高まってしまう。
その為、この時はどうするかをシミュレーションをして攻略していくが、その場その場でのアドリブも必要になるバランスが取れているゲームだと感じた。
ステージが進行していくに連れここは絶対回避しないと超えられないなど、アクションを求められるシーンもありどんどん夢中になってしまう沼の様な魅力があった。
本作はSteamで近日登場予定とのことなのでウィッシュリストに追加して是非遊んでほしい。
インディゲームコーナーの紹介は以上だ。
まだ配信されていないタイトルもあるのでそれらを待ちながら、ここで紹介されている既配信のタイトルを遊んでみて良ければ友達や知り合いに勧めてみてほしい。