2021年12月4日(土)~19日(日)にかけて開催されました「バーチャルマーケット2021」(以下Vket2021)。
本イベントはメタバースに用意された会場でクリエイターや各種企業のブースを巡り、VR空間向けのアバター、アクセサリから現実のPCパーツ、インテリア、アパレルまで、多くの商品を売買できるイベントです。
また、会期中の各会場ではライブ、トークセッションの配信やキャンペーンなど、公式・非公式含めて多くのイベントで賑わいました。
そんな「バーチャルマーケット」は世界最大のVRイベントとして回数を重ね、今回は過去最多の約80社の協賛と共に開催されるなど急成長中のイベント。
折しもメタバースが注目を集める昨今。各方面から今まで以上にアツい視線が注がれる「Vket2021」に、「バーチャルマーケット」個人出展経験もある編集部員が行って来ました。
出展企業一覧には凸版印刷、バンダイナムコ、セガ、ドコモ、ソニーエンタテインメントやローソンなど、名だたる企業さんがずらり!
会場とブースの高い親和性は圧巻。魅力的な世界に没入しよう
「Vket2021」の筆者のイチオシは、何と言っても並び立つブースを引き立てる会場の作り込み。VRの魅力の一つは自分の好きな姿になれることであり、それだけにファンタジー、サイバー、ミリタリー、トゥーン、和風……出展者と来場者のニーズは実に多様です。そこで本イベントではこれに応えるべく、それぞれに個性あるテーマを打ち出した11種23会場が用意されています。
会場「はじまりの町アルメア」は、その名に違わず牧歌的ながら幻想的で華やかな仕上がり。
鮮やかな緑とレンガの赤、そして空に浮かぶ空中都市にはファンタジー系RPGの原風景を感じずにはいられません。
そしてこれらの会場のコンセプトに応えて出展されたブースでは、そのままゲームに登場しそうなカワイイ、カッコイイアバターの他、シェーダーやパーティクルによる魔法のような視覚表現を実現するアイテムの展示販売などが披露されます。
会場とブースが互いに世界観を補強し合いながらファンタジックな雰囲気を演出するVketの展示スタイルはさながらテーマパーク。
VRで作り込まれた異世界を全身に感じて歩き回る体験は、多くの方にぜひ実際に経験してもらいたいところです。
会場作りに光る職人芸。バーチャルならではの展示事情とは?
また、仮想空間を使用する本イベントが現実の展示会と大きく異なるポイントとして、起伏に富んだ地形にブースが立ち並ぶ様子が特徴的です。
現実のイベントホールでは空間的・コスト的制限からブース同士が平面に並び立つことになりますが、対する仮想空間では基本的にどんな形でもOKです。
ただし、仮想空間では現実とは反対にブースが所狭しと林立する状況は苦手。描画処理の過負荷を招き、動作が重くなるポイントを作ってしまいます。動作が重くなると発生するコマ落ちはVR酔いの原因となってしまうため、負荷の軽減の一つの方法としてある程度ブースの配置を分散させることになります。そのため「Vket2021」の会場は単なる美観だけを目指したものではなく、同時に多数のブースが映ることによる過度な描画負荷を抑えるために、背景や高低差などによって視界を程よく区切る工夫が随所に凝らされています。
こうして美しさと負荷軽減を同時に実現するアイデアによって形作られた会場は「バーチャルマーケット2」(2019年3月開催)から続く職人芸と機能美の賜物であり、本イベントの十八番と言えます。
メタバース一等地に立ち並ぶ企業ブース群
また、企業向けワールドとして用意された「パラリアルシティ」ではなんとバーチャル空間に再現された秋葉原と渋谷が会場に。
会場の一つ「パラリアル秋葉原」ではメタバースらしく自由に改装された歩行者天国を練り歩き、通りに立ち並ぶ企業ブースを巡ることができます。
秋葉原といえばPCパーツ!
「パラリアル秋葉原」の「玄人志向」ブースにはPCパーツ以外に、玄人志向のロゴをモチーフにした「例のサングラス」も試着できます!
Bauhutteブースでレイアウトを体験!
Saiga NAK編集部が愛用しているゲーミング家具ブランド「Bauhutte」も協賛企業として参加。
おなじみ「デスク秘密基地化計画」はメタバースにも計画の一歩を踏み出したようで、ブース内に用意された実在する製品を自由に持ち運び、理想のデスクレイアウトを体験できます。
これは通販サイトで数字だけを見てサイズを判断するよりずっと実感を得やすく、また実店舗よりも遠慮なくレイアウトを試せるメリットもあり、VRの活用方法として今後増えて欲しい未来のカタチを見ました。
筆者は既にBauhutteのスタンディングデスクを愛用していますが、ブースでレイアウトを試すうちにエナジーワゴン BHS-430EWに興味が……思わぬ出費となりそうです。
VR愛が作り上げる「バーチャルマーケット」にメタバースの未来を見る
「バーチャルマーケット」は2018年8月、アバターを作る人と使う人を繋げるの出会いの場としてバーチャルSNSサービスの「VRChat」ユーザー自身がイベントを立ち上げる形で始まりました。
それから3年余の中で7回目の開催となった「Vket2021」は、空間作りから遊び方に至るまでVRをディープに過ごす人々のノウハウや理想がアイデアや工夫となって表れ、その開催規模を拡大させています。
本イベントについて主催「株式会社HIKKY」代表の舟越靖氏が語る「ずっと前からVR空間で活動する人達と共に創り上げた世界」という言葉には、バーチャル世界から生まれたイベントであることへの誇りが感じられます。
#日テレ【#スッキリ】の #メタバース 特集で #Vket 取り上げて頂けた!ずっと前からVR空間で活動する人達と共に創り上げた世界!リアルと連動して天気も変わる!街が成長する!バーチャルマーケットの進化はクリエイターの真価そのものです! pic.twitter.com/GcafpjEVHW
— 舟越靖@Vket@メタバース法人@HIKKY代表 (@funacosystem) December 9, 2021
そして、本イベントの閉会式では次回となる「バーチャルマーケット2022 Summer」が来年夏に開催予定とのアナウンスも。
今後もメタバースの流行の中で「バーチャルマーケット」が多くの人々を取り込んで更に盛り上がり、バーチャル世界の未来の形を見せてくれることに期待しましょう!
本イベントは閉会済ですが、2月中から一般会場が再度公開される予定です。
興味のある方はぜひ詳細を「バーチャルマーケット2021」公式サイトでチェック!