アップルがアプリ市場において反トラスト法(独占禁止法)違反に当たるとの訴訟を起こしていたエピックゲームズの訴えの一部を、カリフォルニア州の連邦地裁が10日、一部認める判決を下しました。
裁判の発端について
この裁判は、元々AppleとEpic Gamesが、App Storeでの30%手数料をめぐり争っていた問題が事の発端です。
2020年8月、アメリカ合衆国カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所においてAppleをEpic Gamesが訴訟を起こし、裁判の長期化により、直接関係のない「Sony」「Facebook」「Netflix」をも巻き込んだ、大掛かりなものに発展していました。
判決の内容
連邦地裁は、アップルの規約を「反競争的」と認定し、規約を緩和して外部課金への誘導を認めるようアップルに命じました。
これにより、アプリ開発会社が、利用者をメールやリンクから自社サイトに誘導することを、アップルが制限してはならないという判決が下され、事実上、開発会社はアップルが課している最大30%の手数料を回避しやすくなります。
一方で、アップルが「独占企業」に当たるとは認定せず、エピックゲームズが求めていたアプリ内課金での手数料回避も認めなかったため、エピックゲームズはすでに判決を不服として上訴する意向を示しています。
エピックゲームズは昨年8月にアプリ内に独自の決済システムを導入し、そのことでアップルにアプリを削除されたため、提訴に踏み切っています。
AppStoreに復活なるか
現在スマートフォン向けのアプリプラットフォームでは、iOS向けのAppStore、Android向けのGoogle Play、どちらもエピックゲームズのFortnite(フォートナイト)は配信されておらず、韓国サムスンのGalaxy Storeや中国ファーウェイのAppGalleryのみで配信されています。
一時期はFortniteがインストールされたiPhoneが高値で取引されるなど、AppStoreでの配信再開を待ち望むユーザーが沢山いると思われます。
今後も両社の紛争並びに動向に要注目です。