2020年1月24日から27日の3日間、日本での開催は第3回目となる日本最大級のeスポーツイベント「EVO Japan 2020」が幕張メッセで開催された。
(サイガナックではカメラマン達が全日取材に行き、現在現像やレタッチ作業に尽力中)
回を重ねるごとに、どう大会が変化してきたか、オーガナイザーの藤澤孝史氏に話を伺うことができました!
運営をスムーズにするための工夫とチャレンジ
─ 大会となるといかに運営をスムーズにするかということが重要かと思います。今回はどういう工夫をされましたか?
第2回の福岡に比べて今回の会場は広くなりましたが、ラスベガスのEVOと比較すると、参加人数と比較してまだまだスペースが狭いので、いかに混雑を緩和する運営をするかがポイントでした。
例えば、前回は有名選手が対戦したりしていると、必然的に対戦している台のまわりに観戦者のひとだかりができてしまい、混雑の原因となっていた。
今回は対戦している島を柵とロープで囲んで、対戦者以外は入れないようにしたのです。
また、EVOでは複数タイトルを同時進行しているのですが、人だかりを緩和するために、WAVEごとの進行時間帯をずらして、会場全体で人が分散するようなスケジュール組みを行いました。
─ スムーズな運営を行うにあたって難しかったところを教えてください
参加人数が読めないところが大きなチャレンジとなっています。
トーナメントタイトルの発表タイミングも異なりますし、事前にある程度は予想しておいても、蓋を開けてみないと実際何名参加するか読めません。別途予選をやって、本戦のみの大会であれば(競技に参加する)人数は読めますし、配置もしやすいと思います。
今回は大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL(以下、スマブラSP)で、途中から参加人数に上限を設けました。
この判断についてはEVO本体と連絡を取りながら決定したが、当初の想定以上に参加者が増えてしまい、運営に影響があると思ったための判断でした。
また、運営についてはコミュニティのメンバーでカバーできるところも多いですが、初日が平日ということもあり、ボランティアが足りないという状況もありました。
着実に進化するEVO Japan
─ 今回の大会で大きく変わったところがありましたら教えてください
eスポーツに対する認知度は確実に向上していると感じています。
プロライセンス(*1)がなくても賞金が出せるということもあり、競技としての認知は着実に増えていると感じています。
また、今回は前回の大会では無かったスマブラSPがメイントーナメントで採用できたことは大きいと思います。
スマブラSPに限った話ではないですが、特に他社版権のキャラクターが多いので、許諾の面ではなかなか簡単ではなかったと思います。
そういうタイトルが採用されたことも、本大会、さらにはeスポーツ全体の認知と重要性が認められている結果ではないかと考えています。
*1) プロライセンスは一般社団法人日本eスポーツ連合(JeSU)が発行するライセンスのこと。EVO Japan 2020ではJeSUが認定していない非公認タイトル「大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL」「サムライスピリッツ」「ソウルキャリバー」などがメイントーナメントに採用されている。
編集部所感
会場に入るとひと目で工夫しているのがわかる。
前述の選手専用の囲みなどもそうだが、確実に前回の反省点を今回の大会に活かしていると感じた。
もちろん全て完璧というわけにはいかない。
それは参加人数がなかなか読めないということの影響もあるだろうが、ラスベガスのEVO含め通ってきた道だと思う。
特に一昨年ぐらいからのeスポーツの盛り上がりは指数関数的に増えてきていると感じているし、いかに他の大会の経験やノウハウを活用しようとしても、どうしても需要(参加者や期待)と供給(運営)の間でギャップは生じてしまう。
回数を重ねる毎の進化も一種の楽しみだと思うので、きっと来年も「おー、ここまで進化したか」と思いながら本大会のレビュー記事を書いていると思う。
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