バンナム「鉄拳8」の原田DとマイケルPにインタビュー!今後のストーリーは?コラボは?ポールの髪型はなぜ変わった?

インタビュー

2024年1月26日(金)に株式会社バンダイナムコエンターテインメントから発売されたシリーズ最新作「鉄拳8」
人工知能を活用したAIゴースト機能やプレイアブルキャラクターのカスタマイズ機能などさまざまな楽しみ方ができる本作は、すでに世界中で大好評です。
今回は台北ゲームショウ2024で鉄拳プロジェクトチーフディレクターの原田勝弘さんとプロデューサーのマイケル・ムレイさんにインタビューした様子をお届け!
今後のストーリーやポールの髪型が変わった理由、新キャラクター「麗奈」などについて伺いました!

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「鉄拳8」の原田DとマイケルPにインタビュー!

原田勝弘チーフディレクターとマイケル・ムレイプロデューサー
Saiga NAK

※メディア合同インタビューのため、SaigaNAK編集部以外の質問を含みます

Q. 台北ゲームショウ2024の感想を教えてください

マイケルP: こう見えて人生の半分以上は日本で過ごしているんですが、台北ゲームショウのゲームや音楽、コスプレなどの雰囲気が「俺いま日本にいるんじゃないか!?」っていうくらい日本に近いものを感じて驚きました。

原田D: 僕は台北を含め世界のいろんな地域にすごい回数行っているんですが、僕もマイケルも行く先々でゲーム好きの方がよく接してくれるので印象はとても良いです。
嫌な思いをしたことが無いですし、みんな美味しいもの食べさせてくれるし(笑)
台北は30年近く前から来てますが僕のことを知らない人でも親切で優しい人が多いですね。

Q. GamerBeeさんをはじめ台湾にも熱狂的な格闘ゲーマーファンがいますが、鉄拳に対する熱気をどう受け取っていますか

マイケルP: 意外とEVOなどの舞台ではまだこちらのプレイヤーとの交流は多くないんですが、こういったゲームショウの場でお話すると「鉄拳8」を楽しみにしている気持ちが伝わってくるので、より多くの人がプレイしてくれることを期待しています。

原田D: コミュニティ全体でいうとアジアは日本人含めシャイな人が多いイメージですね。
直接会うと情熱は伝わるんですが、良い悪いではなくこの点は明らかに地域差があるなと思います。
南米やヨーロッパに行くとガッツリ肩を組んで写真を撮ったり、フランスでキスされたりとか(笑)

マイケルP: もっと仲良くなりたいです。中国語でも良いのでXのアカウント(@mykeryu)にメッセージを送ってください!

Q. 「鉄拳8」で三島家の争いは一段落したように見えます。今後「鉄拳」シリーズの物語はどう展開されていくのでしょうか

原田D: 現在までのストーリーの軸に関しては20年以上前に構想したもので、当時のナムコを創業した中村雅哉さんに説明した内容をようやく回収できたところです。
ここからは新展開を考えているんですが次がいつになるかというのは分からないですね。
「鉄拳7」を作った頃、僕らは2年くらいで次回作を発表するくらいのイメージだったんですが人気が出過ぎて運営が長くなってしまいました。
「鉄拳8」がどうなるのか、次がどうなるのかと言えるまでにはもう少し時間がかかると思います。

Saiga NAK
Q. 1分でざっくり分かる!鉄拳シリーズがSNSで大きな話題になりましたが

原田D: あれは鉄拳チームではなくセールスチームの鉄拳好きの担当者が作ったものなんです。
初めて見たときは僕も笑っちゃったんですが、第1印象は「俺はストーリーを作る才能が無いな」と(笑)
例えば小島秀夫監督の作品であんな動画が作られることは絶対無いじゃないですか。

マイケルP: 怒られちゃうね(笑)

原田D: そう考えると僕はナラティブなゲームを作る才能は無いんだろうなと客観的に理解できました。
僕はアクションゲームしか作れないです(笑)

マイケルP: 「鉄拳8」のタイミングでそういう動画を作ってもらえて嬉しいなと思いますね。
海外でもテレビドラマ「メディア王 ~華麗なる一族~(原題: Succession)」で有名なブライアン・コックスさんに出演していただいた動画が非常に好評でした。
鉄拳は色んなキャラクターにそれぞれの背景があって。それを初心者が理解するのは難しいだろうなと思ったので、初心者にも易しいあのような動画はとてもありがたいですね。

Q. 格闘ゲームは敷居が高く初心者が入りづらいという風潮があるなか、最近のタイトルはシンプルな操作モードを取り入れる流れもできています。「鉄拳8」でもスペシャルスタイルが実装されましたが、今後さらにシンプル操作に力を入れていく予定はありますか?

原田D: シンプル操作に関してはもっと拡張したいと思っています。
ベータテストでも意見をいただきましたし、発売以降も意見が出てくると思うので、もう少し初心者の人や中級者の人が扱いやすいものにブラッシュアップしていきたいです。

原田D: 皆さんに思い出してほしいんですが、「ストリートファイターII」が出た頃は小学生から大人まで全員遊んでたじゃないですか。
そのなかでキャラをうまく扱ったり、すごい上手い人が現れるとハードルが高く感じてしまう。
僕は必ずしもみんながトップを目指す必要はなくて、例えば「鉄拳8」ではストーリーモードがあるのでキャラクターを好きになってもらったりとか、AIゴーストを育てて他のプレイヤーにぶつけるとか。
そんな違う遊び方を提供してハードルを下げることも重要だと思っているので、1人用コンテンツなどにも力を入れたいなと思っています。

マイケルP: 例えばマイケル・ジョーダンを見てバスケは難しいからやめようとは誰も思わないですよね。
自分より上手い人とやれば楽しくないかもしれないし、同じような腕前の人とやれば楽しい。
格闘ゲームも全く同じだと思うので、格闘ゲームは難しいという先入観を捨てるところからですね。

原田D: 「カウンターストライク」っていうゲームはシンプルで操作も簡単なんですが、いまログインするとわかりますが3秒で頭撃ち抜かれて終わりなんですよ(笑)
いきなりプロの中に入るとそうなってしまうので、初心者だけの大会を作ったり、ゲームのなかでできるだけ同じ腕前の人がマッチングできる仕組みを作るということが大切だと思っていて、僕らはそれにトライしています。

Q. 「鉄拳8」ではポールのように大きく見た目が変わったキャラクターがいますね

原田D: ポールに関してはナンバリングに4がつくときと4の倍数のときだけ髪の毛を下ろすので、「鉄拳9」では髪が立ちます。
次は「鉄拳12」で髪を下ろします。
「鉄拳40」から「鉄拳49」ではずっと髪が下りますね。


「鉄拳7」公式サイト「鉄拳8」公式サイト

原田D: 「鉄拳8」ではモデルを1から全て新しく作り直しているんですが、何もかもを新しくすれば良いというわけでも無いのが難しいところです。
例えばキングのマスクがジャガーからウサギになったら新しいけど誰!?ってなりますよね。
従来のイメージを保ちながらリニューアルするというバランスが難しかったです。

Q. 「鉄拳8」で麗奈が登場しましたが、今後のストーリーにも大きく関わる重要なキャラクターになるのでしょうか?

原田D: なり得ると思います。
ただひとつ計算外だったのが、麗奈は僕から見るとあまりユニークな見た目でも無いですし、ストーリーモードを全て終わった人が好きになるキャラクターという想定でした。
実際には発表直後からすごい人気を獲得していたので、今後は人気キャラクターとして扱わないとファンに怒られるんだろうなとドキドキしています(笑)

マイケルP: 僕はいつも三島一八とかデビル仁を使っていて最速風神拳などの気持ちよさが魅力のひとつだと思っています。
麗奈はそういった三島らしさに加えて俊敏さを持っていて面白いキャラだと思っています。

Q. 「鉄拳7」では豪鬼やノクティス、ニーガンといったコラボキャラクターが登場しました。「鉄拳8」ではこういったコラボは考えていますか?

原田D: もともとコラボ前提でゲームを作るということはあまりないです。
ファンが盛り上がっていたりとか、こういうことをすれば新しい人が入ってきてくれるんじゃないかとか。
プレイヤーみんなにとって良いタイミングやアイデアがあればやりたいなとは思います。

マイケルP: 原田さんは未だにカーネル・サンダースを出したかったと(笑)

原田D: カーネル・サンダースは出してみたかったんですが、あまりにもチームから反対されるのでほとんど諦めました。

Q. 第1弾追加キャラクターとして予告されているエディの映像ではモーションキャプチャの様子も収録されていますが、なにか意味が隠されているのでしょうか?

原田D: あの演出自体に深い意味はなくて、単純に作っている最中だったのでその様子も出しちゃえ!っていう(笑)

Q. 今後の追加キャラクターはどのような方向性で選んでいくのでしょうか?

原田D: これは難しいですね。
「鉄拳7」では最初の1~2年で終わる予定だったものが、ファンやコミュニティの期待に応えるかたちで増えていった部分があるので。
今回も自分たちである程度の予想は立てつつも、ファンの声を聞きながら求められているものをできるだけ早く反映するという方向性でいきたいと思っています。

Saiga NAK
Q. 最後に一言お願いします

原田D: 「鉄拳8」ではこれまでのファンはもちろん、初めて鉄拳に触れる方にとってもインパクトあるものを作ったつもりです。
特にストーリーモードは他の格闘ゲームではあり得ないくらい開発チームが力を入れましたし、アーケードクエストというプレイヤーサイドのストーリーモードも用意しています。
オンラインに行くとファイトラウンジという皆が集まれる場所もあります。
対戦する以外の点でも鉄拳コンテンツとして楽しめるという部分に相当力を入れて頑張っているので、ぜひ購入していただけるとありがたいです。

マイケルP: むかし兄弟や友達と遊ぶときにはレバガチャでも楽しかった思い出があると思います。
今作は鉄拳が分からなくても本当に楽しめると思うんです。
ステージイベントで僕とプロゲーマーのGamerBeeさんがあんなに楽しく対戦できたのも、スペシャルスタイルという遊び方があるからです。
ぜひ遊んでほしいです。

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