世界で一番セキュアで世界で一番カッコいいスマートフォンと言えばBlackBerry。
BlackBerry OSのサポートも終了し、Androidを搭載したBlackBerry達もTCLが製造ライセンスを得て様々な機種を出していましたが、そのライセンス契約が終了。
BlackBerryがこのまま死んでいくかと思っている中、2021年8月に「OnwardMobility」がBlackBerryとのライセンス契約を発表し、5G対応のBlackBerryを発売すると発表されました。
Foxconn Technology Group(鴻海科技集團)の子会社で、ゲーミングデバイスメーカーRazerにも出資するFIH Mobileも、同プロジェクトに参加することが表明されていたので、BlackBerryユーザーは大歓喜したものです。
しかし2021年内は何も動きがなく、プロジェクトが消滅しているのでは?と思っていたところ、2022年に入り“まだ死んでいない”とサイト上でアナウンスされました。
一安心したのも束の間、この度OnwardMobilityの閉鎖が発表され正式に「死んだ」ものとなりました。
OnwardMobilityは閉鎖、開発も終了
OnwardMobility公式サイトでは、下記のように述べられています。
OnwardMobilityOnwardMobilityは閉鎖されることになり、物理キーボードを備えた安全なスマートフォンの開発は進められなくなることをお知らせします。
プロジェクトを担っていたOnwardMobilityが閉鎖され、開発も別の会社に引き継がれることなく終了し、BlackBerryが本当に終了してしまったことが窺えます。
ちなみにサイト上はトップページに簡単なお知らせが掲載されているのみで、過去公開されていたページも全て削除されています。
過去公開されていたページにアクセスしても、トップページにリダイレクトされることなくPage Not Found(404エラー)となってしまいます。
Linkedinページも閉鎖か
LinkedIn公式ページも既に削除されています。
投稿はかろうじてまだ閲覧できますが、企業ページに行くとエラーになります。
投稿には様々な想いが込められたコメントが寄せられています。
FacebookやTwitterはまだアカウントは残っていますが、今回の発表には特に触れておらず、このまま放置になる可能性があります。
BlackBerryは今後どうなる?
スマートフォンOSシェア世界No.1だったBlackBerryは、かなり前からセキュリティ関連でエンタープライズ市場を席巻しており、車載OS「QNX」でも多くの車に搭載されています。
最近ではQNX技術をBMWグループにライセンス供与と発表され、EV(電気自動車)メーカーでは23社が「QNX」を採用しています。
QNX公式サイトでは1億9500万台の車に搭載されているとのことで、EVブームが到来している昨今、ソフトウェア面ではいつの間にかBlackBerry社が支配しつつあるような状況です。
ちなみに同社最後のスマートフォンOSのBlackBerry 10もQNXベースでした。
そう言った意味では、将来性も高く圧倒的優位性のある市場を抑えているにも拘らず、激しいシェア争いの多いスマートフォン市場にわざわざ参入するメリットが少ないと思います。
BlackBerryを求める人はどうすればいいのか
今回OnwardMobilityが閉鎖し、新機種が発表されないのが確定した中、BlackBerryユーザーはお困りのことでしょう。
新品で購入することは難しく、なるべく状態が良いものをじゃんぱらやイオシスなどの中古ショップ、eBayやヤフオク!などのオークションサイト、PayPayフリマやラクマなどで探すしか方法はありません。
代替機種を探す・・・
BlackBerry以外の機種を検討・・・となると物理QWERTYキー搭載スマートフォンだと「Unihertz Titan」が思いつきますが、「BlackBerry Passport」に比べて重くてかなり使いにくいです。
「Unihertz Titan Pocket」でBlackBerry Classicと同じくらいのサイズで、丁度いいかもしれませんが、やはりBlackBerryではなく、そもそものコンセプトも違います。
“BlackBerryユーザーの人は物理QWERTYキー搭載すればいいんだろ?”というだけではないのです。
他社が代わり名乗りを上げることに期待する・・・!
OnwardMobilityはまだスタートアップだったため、シードでの資金調達しかしていなかったと思われます。
ライセンス取得後から製品化に至るまでの資金的体力はもちろん、BlackBerryが1月31日にモバイルデバイスやワイヤレスネットワーク関連の特許を売却したことにより、製品化はより一層遠ざかり、そんな中で無理やり5G対応BlackBerryを作り市場に投入しても勝算がないと見込まれたのでしょう。
しかし逆にBlackBerryブランドを使って、物理キーボードを搭載し、BlackBerry同等のセキュリティレベルのスマートフォンを開発しよう!と思う企業が現れれば、まだ可能性はあります。
かなり厳しい状況下ではありますが、AndroidベースのGrapheneOSを搭載したNitroKeyなどがあるように、AndroidベースでBlackBerry OSのUI/UXに近づけたBlackBerryを作ることも不可能ではありません。
(特許を売却してしまったので難しい部分もあると思いますが・・・)
FIH Mobileあたりが是非名乗りを上げるか、RoBoHon(ロボホン)など尖った携帯電話を作った同グループのSHARPなどが思い切ってホワイトナイトとなり、BlackBerryを復活させて欲しいものです。
BlackBerry本社に懸ける・・・!
あとはBlackBerry社が自ら再参入するのを期待することです・・・かなり厳しいと思いますが・・・。
今回悲しいお知らせでしたが、ネット上ではリークなのかデマなのかわからない様々な情報が飛び交っています。
明らかに怪しい画像だったし情報源だったりするのですが、期待したくなってしまいます。
今後もBlackBerryのスマートフォンが続報出ることに淡い期待をしつつ、それまでの〝繋ぎ〟のスマートフォンを探したいと思います。