日本eスポーツ連合(以下、JeSU)は2020年9月24日(木)に「JeSU参加料徴収型大会ガイドライン」を制定したこと発表しました。
『風営適正化法上の「ゲームセンター等営業」に該当しない 参加料徴収型大会の範囲を明確化』ということですが、正直なところわかりづらいですよね?
つまりどういうことなのか簡単に噛み砕いてご説明したいと思います。
あくまでザックリとなのであしからず!
参加料を徴収してのイベントが問題?
eスポーツの大会の中でも無料のものと、参加者が参加料を支払って参加するものがあります。
参加料を支払うオフライン大会で、アーケードゲームや家庭用ゲーム機を使用して行われるものは、実質お金を払ってゲームをしにいっているかたちとなってしまうため、「ゲームセンター等営業」の対象になってしまう可能性があるというわけですね。
逆にPCやスマホ、タブレットを使用するイベントに関しては、デバイスがゲーム以外の用途でも使用できる状態になっていれば、参加料の有無に関わらず「ゲームセンター等営業」の対象にはなりません。
そうは言ってもeスポーツの大会を開催するには会場や機材の準備や、多くの運営スタッフが必要となりますので、かなりのお金がかかり、スポンサーがいたとしてもそれだけは賄えない場合が多々あります。
今回発表された「JeSU参加料徴収型大会ガイドライン」は、アーケードゲームや家庭用ゲーム機を使用して行われる有料の大会で、「ゲームセンター等営業」に該当しないような大会の開催に関してまとめられたものになります。
いくらなら参加料を設定してもいいの?
「JeSU参加料徴収型大会ガイドライン」では参加料の設定は「該大会を開催するための会場使用料その他大会の設営に要する費用にのみ充当しなければならない」としています。
つまりは大会を開くためにかかる費用に当てること以外に参加料を使っちゃダメってことですね。
しかし、そこあたりはやろうと思えばいくらでもうやむやにできる部分でもあります。
それを防ぐために最大参加人数を予め設定する必要があります。
そして開催にかかる費用を最大参加人数で割った金額相当が1人の参加費用の上限に設定することになります。
「JeSU参加料徴収型大会ガイドライン」の例によれば、大会開催に200万円費用がかかるとして、最大参加人数を1000人に設定した場合
2,000,000÷1,000=2,000
となりますので、1人あたりの参加費用は2,000円を超えてはいけないということになります。
そして設定した金額は1参加者1大会固定となり、もう1回払えば再度参加できるようにしてはいけないとしています。
ですが、1つの会場のイベントで複数のゲームタイトルの大会が開催される場合は、タイトルごとに参加料を徴収しても良いとなっています。
参加費用は固定と言いましたが、イベントのスポンサーのサービスを利用している人に一律で参加料の割引を行ったり、ゲスト参加者の費用を免除するのは問題ないとのこと。
結構ややこしいですね。
こんな感じで計算して参加費用をちゃんと設定した大会でも、何らかの事情で参加料の合計が開催費用を上回ってしまうこともありますよね。
そうなってしまった場合は、参加者に還元するなどして、最終的に参加料で黒字にしてはいけないというわけです。
そして大会の参加者を募集要項に「参加料が大会設営費用の一部に充当されること」を明示し、宣伝する際にも可能な限り明示する必要がありますので、募集要項や宣伝の文言も見直す必要が出てきます。
結構面倒ですね。
それじゃあ大会で黒字は出しちゃダメなの?
参加料で黒字にしちゃいけないとなると、一体何で利益を出せばいいのか、開催側は気になるところですよね。
あくまで「参加料」は開催費用にのみしか使っていけないということなので、それに該当しないものもたくさんあります。
スポンサーからの協賛金や広告収入、ゲーム実際にプレイするわけではない観客の観覧料、物販などのゲームプレイと直接関係しない収益で黒字になるものは問題ないとしています。
そう考えると利益を出す方法は色々ありそうですね。
有料の大会を開くためには
「JeSU参加料徴収型大会ガイドライン」にの則って有料大会を開催する場合には大会の告知開始日の1か月前までにJeSUに大会概要を連絡して、JeSUから認定を貰う必要があります。
ちゃんと認定されれば「JeSU認定参加料徴収型大会」として開催することが認められます。
大会内容によっては認定されない場合もありますので、ガイドラインに則ってきちんと設定しましょう。
一度認定されても、届け出の内容に虚偽があったり、大会運営でガイドライン違反があったりすれば認定を取り消されることもあります。
きちんとルール守って開催を!
ガイドラインが制定されると、それに関して色々思うところがある人も出てくると思います。
しかし、制定された以上はガイドラインに則って開催しないといけないわけです。
制定されてすぐは開催側は大変なことが多くなりますが、まずはガイドラインを守った開催を行ってみてからではないでしょうか。
今回ご紹介した内容はあくまでもザックリと噛み砕いた内容になりますので、「JeSU参加料徴収型大会ガイドライン」全文をしっかりと確認した上で、有料大会を開催するようにしてください!