2021年に創刊した香港企業のMetaverse Media Hong Kong Limitedが運営するメタバースメディア「Metaverse Style」がアクセスすると“This account has been suspended”と表示され、アクセスできなくなっている。
Bingのキャッシュでは10月17時点ではクローラーがアクセスできるのを確認できており、Internet Archiveでは2024年11月19日時点で同様の画面になっているため、その間に閉鎖したと思われる。
創刊時、持続可能なメディアビジネスに興味を持った編集長が就任
「Metaverse Style」は香港法人運営にも関わらず日本語のみで運営されており、創刊編集長は香港在住の富谷 瑠美氏が就任していた。
富谷氏(@rumitomiya)は新卒でアクセンチュア株式会社に入社し、持続可能なメディアビジネスに興味を持っており、「Metaverse Style」も持続可能していくと思われていたが、昨年5月より更新も止まっていた。
せめてサイト自体は存続していくと思われたが、サイト自体も同メディアは3年持続できなかった。
創刊当時は「世界初!メタバース特化型オンラインメディア」を謳っており、世界初のメタバース特化型オンラインメディアが静かにこの世から失くなったのは寂しい限りである。
確認したところ、ドメインはまだ生きているため、せめて無料のWebサーバなどを使って、アーカイブを残して更新の継続は無理でもサイトを持続しておいて欲しかった。
日本法人のサイトはアクセス可能
運営元企業「Metaverse Media Hong Kong Limited」の子会社(日本法人)である「Metaverse Technologies合同会社」のWebサイト「https://metaverse-tech.com/」は、アクセスができるが、サイト上に運営メディアとしての「Metaverse Style」の表記はなくなっている。
本社の香港法人は2度の社名変更
運営元企業「Metaverse Media Hong Kong Limited」のC.R. Number(公司註冊編號)である「3089261」で調べたところ、今年2024年3月21日に「Future Arena Sports (Hong Kong) Limited」に社名変更しており、その1ヶ月後である2024年4月15日に「AKIBA WOW Company Limited」へと社名変更をおこなっている。
しかし「Metaverse Style」創刊時に子会社としていた「Metaverse Technologies合同会社」の社名はそのままである。資本関係が解消されて母体が別になったのかは不明であるが、日本法人の方はサイトが閉鎖されているため問い合わせもできない状態である。
現実世界の秋葉原ツアーサービス「AKIBA WOW」誕生
AKIBA WOWで調べると、2024年4月15日にドメイン取得したAKIBAWOW(akibawow.com)というサイトが出てくる。
ドメイン取得日と社名変更日が同じことから、「Metaverse Style」を持続せずに「AKIBAWOW」を開始したということだろうか。
パートナーには「AKIBA観光協議会」や日本の情報発信香港メディア「LIKE JAPAN」が連ねている。
インターネット上の仮想空間であるメタバースの情報発信するメディアから、リアル世界のツアーサービスになってしまったのは残念だが、「AKIBA WOW」の今後の発展を祈念したい。