「SIE」ことソニーグループのソニー・インタラクティブエンタテインメントが、ゲームに特化したチャットコミュニケーションツール「Discord(ディスコード)」とのパートナーシップ締結と、シリーズHラウンドでの投資を発表した。
Announcing PlayStation’s new partnership with Discord: https://t.co/W9C8SR7OXx pic.twitter.com/LV4AhwbuBv
— PlayStation (@PlayStation) May 3, 2021
DiscordとPlayStation Networkを結ぶ
今回の発表では、SIEとDiscordは、PlayStation NetworkでDiscordが利用できるように取り組んでいるとのこと。
コンソール(PlayStation本体)及びモバイル(スマートフォンアプリ)で、DiscordとPlayStationの体験を結びつけることを目指しており、2022年前半にはより簡単にコミュニケーションを取れるようになる予定。
またSIEは具体的な金額は明かしていないが、DiscordのシリーズHラウンドの一環として投資をおこなった。
ソニー・インタラクティブエンタテインメント ジム・ライアン社長兼CEOによるコメント
ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は、世界中にいるプレイステーション®のファンの皆さまがお互いに繋がり、新しい友情やコミュニティを形成し、楽しい体験や思い出を共有し合えるような新しい方法を模索してきました。そのような想いから、この度、世界中で月間1億4千万人以上の利用者を誇り、ゲームユーザーの皆さんの間で親しまれているコミュニケーションサービス「Discord」と、新たなパートナーシップを締結したことをお知らせいたします。
プレイステーション®でDiscordをご利用いただけるように、現在、SIEとDiscordの両社間で取り組んでいます。私たちの目標は、2022年の前半にはコンソールとモバイル上におけるDiscordとプレイステーションの体験の親和性を高め、ユーザーの皆さんが、ゲームプレイ中に友人やグループ、コミュニティと、より簡単で楽しく交流できる機会を提供することです。
SIEは、このような新しい体験をユーザーの皆さんにご提供するために、DiscordのシリーズHラウンドに参加し、マイノリティ出資をいたしました。私自身、Discord共同設立者のJason Citron氏とStan Vishnevskiy氏と初めてコンタクトを取らせていただいた時から、彼らのゲームに対する深い愛情と、友人同士、そしてコミュニティが新しい方法で繋がってほしいという想いを共有できたことに感銘を受けました。ユーザーの皆さんがコミュニティを作り、ゲーム体験を共有できるようにすることは、私たちが最も大切にしていることであり、世界で最も人気のあるコミュニケーションサービスと足並みを揃えて、この旅路を共に歩めることを大変嬉しく思います。
素晴らしいパートナーと協力し、ユーザーの皆さんに新鮮な体験をお届けできることは、光栄なことだと常々思っています。今後数か月のうちにさらに詳細をお伝えしてまいりますので、最新情報についてはぜひSIEおよびDiscordの公式チャネルでご確認ください。
Microsoftが買収する噂もあったが…
今回の発表の前に、Xboxを手掛けるMicrosoft(マイクロソフト)がDiscordを100億USD(約1兆900億円)で買収する交渉が進んでいたが、交渉が打ち切られたと、各メディアが報じていた。
交渉が打ち切られた背景には、Discordは売却ではなく、独立した展開を選択したとの見方があった。
その選択から〝売却〟ではなく、SIEとのパートナーシップ締結という結果になったと予想できる。
DiscordがIPOをした場合、SIEにも多くのリターンが見込めるであろうが、今後のSIEとDiscordの動きに要注目である。
what to look forward to in 2022:
Playstation ? Discord
— Discord (@discord) May 3, 2021
余談であるが、MicrosoftとSonyは2019年に提携しており、AzureおよびAzure AIがPlayStationに活用されており、Sonyの得意分野であるイメージセンサーを用いて、両社でAzureベースのクラウドソリューションの共同開発をおこなっている。