PCメーカー各社から、横ワイド型ディスプレイを搭載するポータブルゲーミングPCが次々と登場しています。
ゲーミング用途に十分なスペックを持つ一方で、ゲームだけに使うのはもったいない、という声も。
それに応えてかAcerからQWERTYキーボードも備えたコンセプトモデル「Project DualPlay Mini」が2026年9月に発表。
実機を同月にベルリンで開催されたIFA 2026の会場で見てきました。
8型ディスプレイ搭載のポータブルゲーミングPC
「Project DualPlay Mini」はディスプレイの左右にゲーミング用のコントローラーを搭載しており、両手で持って本格的なPCゲームプレイにも対応するコンセプトモデルです。
Acerはすでに「Nitro Blaze」「Predator Atlas」という2つのポータブルゲーミングPCを展開しています。
「Project DualPlay Mini」のデザインは角ばった形状であり、どちらかといえば「Nitro Blaze」に近い外観をしています。
ディスプレイのサイズは8型です。
コンセプトモデルのため、詳細なスペックは公開されていません。
判明しているのはプロセッサーのグラフィックスに「Intel Arc G3 Extreme」を含むインテル製プラットフォームを採用しています。
また、冷却系には標準的なプラスチック製ファンと、空気流を最大10%向上させる薄型金属製ブレードを用いた「Predator AeroBlade」を組み合わせたデュアルファンシステムを搭載。
さらに、背面には外部モニター出力にも対応したThunderboltなどのUSB Type-Cポートを2基備え、高い処理能力と拡張性を両立しています。
背面を見ると「PREDATOR」のロゴが配置されており、本機が同ブランド「Predator Atlas」シリーズに属する製品であることが分かります。
さらにそのロゴの下に刻まれたドットの列は、実はモールス信号。
今年2026年に創立50周年を迎えた同社を記念し、モールス信号で「Acer 50 since 1976」というメッセージが表記されているのです。
最新のコンセプトモデルでありながら、同社の偉大な歴史をも祝福するという、心憎い演出が施された1台に仕上がっています。
ディスプレイには独自のゲーム管理ランチャーが起動しています。
展示機には「Disney Speedstorm」や「Forza Horizon 5」といったタイトルが並び、画面下部にはXBOXやSteamといった主要プラットフォームのアイコンも配置。
これは既存の「Predator Atlas」シリーズ搭載の「PredatorSense」と同等。
本機はWindowsベースの携帯ゲームPCであり、タッチパネルで直感的にゲームを管理・起動できる快適なUIが強みとなっています。
しかし、この端末の真価は画面を上に開き、くるりと180度反転させたときにこそ発揮されるのです。
「Project DualPlay Mini」が本領を発揮するのがディスプレイを「開いて、回して」使うギミックです。
高性能なポータブルゲーミングPCにBluetoothキーボードを接続しビジネス/日常用途で活用する事例はありますが、キーボードを別途持ち運ぶのは不便ですよね。
そこでAcerは回転ギミックでキーボードを内蔵してしまうという解決策を生み出したのです。
ディスプレイを完全に引き上げると、横ワイド型のノートPCスタイルになります。
ただしこの状態ではディスプレイは見えません。
キーボードは一般的な配列であり、サイズやクリック感も十分。
とはいえコンセプトモデルなので実際に製品化された際は、キータッチ感などは変更される可能性はあります。
この状態からディスプレイを上下に回転させると、ポータブルゲーミングPCスタイルから、横ワイド型のノートPCへと変形します。
本体を閉じれば一般的なノートPCよりもコンパクトな大きさになるこのスタイルは、今から約20年前に発売されたソニーの名機「VAIO P」を思い出させますね。
ゲーム機型の横ワイドボディーにQWERTYキーボードを詰め込むというこの執念とロマンは、変態ギミックのDNAを令和の技術で現代に蘇らせたかのようです。
コンセプトではなくぜひ製品化してほしいと強く感じました。
IFA 2026では「Predator Atlas 7」も発表されました。
5月に発表された「Predator Atlas 8」と比べるとディスプレイアスペクト比は16:9と横長になり、筐体も一回りコンパクトに引き締まっています。
前面のスピーカー格子がなくなり、よりソリッドで洗練された外観に進化した印象。
手の小さなアジア人プレイヤーでもホールドしやすく、ドリフトの起きにくいTMR方式のスティックも相まって、極めて高い完成度を感じさせる仕上がりです。
Acerが展開する最新ハンドヘルドPCは、三者三様の強い個性を放っています。
大画面の迫力と16:10の表示領域を誇る「Predator Atlas 8」と一回りコンパクトで機動性に優れた新発表の「Predator Atlas 7」そしてフリップ&回転という変態ギミックで未来を魅せる「Project DualPlay Mini」
王道の扱いやすさからロマン溢れる新提案まで、AcerはPCゲーマーのあらゆるニーズに応えようとしています。
▼Photo & Written by Yasuhiro Yamane/山根康宏
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