クラフトしたりサバイバルしたりハンティングしたり・・・。
ヘッドショットしたりインパクトしたりビクトリーしたり・・・。
かつてのビデオゲームはeスポーツに姿を変え、市場規模は何倍にも膨れ上がりました。
かつてのゲーセン勢たちは年齢を重ね、令和のゲーマーたちは若い頃からオンラインで激しい闘いを繰り広げる・・・そんな時代だからこそ、古き良きJRPGの良さが際立つというもの!
全ゲーマーに捧げたい超大作「幻想水滸伝」と「幻想水滸伝II」がHDリマスターで蘇る「幻想水滸伝 I&II HDリマスター 門の紋章戦争 / デュナン統一戦争(以下、幻想水滸伝 I&II HDリマスター)」が、ついに2025年3月6日(木)に発売されます。
Saiga NAK編集部は一足先にプレイする機会をいただきましたので先行プレイレビューをお届け!
そもそも「幻想水滸伝」とは?
ー EPISODE 1 赤月帝国 ー
静かに水をたたえるトラン湖。
それを取り巻く一帯を230年の間支配した帝国が赤月帝国である。初代皇帝クラナッハ・ルーグナーはハルモニア神聖国の内乱に乗じて独立を宣言、以後この国を治めてきた。帝国暦217年には、帝位継承権をかけた「継承戦争」がおこる。… pic.twitter.com/0tL8jdN7Cv
— 幻想水滸伝【公式】 (@GensoSuikoden) February 19, 2025
1995年に1作目がリリースされたKONAMIの「幻想水滸伝」シリーズ。
その名の通り中国の小説「水滸伝」がモチーフで、108人の仲間(108星)が登場するのが最大の特徴です。
これまでにスピンオフを含む11作品が発売されており、濃密なストーリーや魅力的なキャラクターたちが多くのファンを釘付けにしてきました。
当初は2023年発売予定だったものの“さらなる開発期間が必要”という理由から発売延期が発表されていた「幻想水滸伝 I&II HDリマスター」ですが、2025年3月6日(木)に満を持してNintendo Switch、PlayStation 5、PlayStation 4、Xbox Series X|S、Xbox One、Windows、Steam、Epic Games Storeで発売されます!
「幻想水滸伝 I&II HDリマスター」プレイレビュー&初心者ガイド
繰り返しになりますがシリーズ1作目「幻想水滸伝」が発売されたのが1995年。
何度か移植版が発売されているものの、2025年で30周年を迎えるわけですからプレイしたことが無いという方も多いことでしょう。
今回のプレイレビューでは「幻想水滸伝 I&II HDリマスター」の新要素紹介とともに、基本的なゲームシステムについても解説していきます!
以下、実際のゲーム画面(Steam版)を含みます。
ストーリーには極力触れませんが、念のためネタバレ注意です。
HDリマスターで蘇る町並みとサウンド
「幻想水滸伝 I&II HDリマスター」では街やフィールド、バトルエフェクトなどが高画質化されています。
アスペクト比もワイドに変更されているので、より広い画角で快適な冒険を進めることが可能です。
BGMやSEなど全ての音源が高音質化されており、懐かしくも新鮮な気持ちでストーリーに没入できます。
個人的に素晴らしいと感じているのが「ドット絵とリマスターの調和」
リマスター作品では高解像度化に伴ってフィルターがかけられたり、新たにキャラクターデザインが描き下ろされることがままあります。
しかし「幻想水滸伝 I&II HDリマスター」では背景やバトルエフェクト、テキストがHD化している一方でキャラクターだけがドット絵のまま。
しかもどちらが浮くこともなく見事に共存しているというのはまさに職人技です。
洗練されたUIデザイン
オリジナル版から最も変わったと言っても良いのがUIデザインです。
高解像度化とワイドスクリーンの恩恵で画面内の情報表示にゆとりが生まれました。
さきほどのセリフ「謁見」もそうですが、ひらがなだった一部テキストが漢字に対応したことで可読性も向上しています。
ただし変わったのはあくまでも見た目だけで「幻想水滸伝」では1キャラクター9枠しかアイテムと装備が持てませんし、パーティー共有の持ち物として袋システムが追加された「幻想水滸伝II」でもキャラクターが持てるのはアイテムとその他装備合わせて3枠まで。
仲間がパーティーから離脱すると持たせていたアイテムの回収が難しくなることもありますし、ストーリー序盤では倉庫も使えません。
現代のRPGでは考えづらい仕様ですが、たまにはそんな不便さも楽しんでみましょう。
ログ機能が新収録
コマンドにシレっと追加されているのが「ログ」機能。
キャラクターのセリフを読み返したり、最大100メッセージまで保存しておくことができます。
「幻想水滸伝」シリーズはメインストーリーとともに仲間を集めるためのサブストーリーも充実しています。
どうしても並行して目的を遂行したい場面がでてきますし、軽い気持ちで話しかけたキャラクターがまさかの大立ち回りを演じることも。
ようやく一段落と思ったら「あれ?次何すれば良いんだっけ?」ということになりかねません。
ログ機能は大いに活用していきたいところです。
王道にスパイスを加えたバトルシステム
「幻想水滸伝」および「幻想水滸伝II」では、前列3人/後列3人の6人パーティーが基本。
各キャラクターには固有の武器とレンジが設定されており、パーティー内の配置によって攻撃できるターゲットが異なる仕様です。
なお、後述する「紋章」や「いっしょに」はその限りではありません。
- Sレンジ: 前列にいるときは、敵の前列のみに攻撃可能。後列にいるときは攻撃できない
- Mレンジ:前列にいるときは、敵の前列・後列に攻撃可能。後列にいるときは。敵の前列に攻撃可能
- Lレンジ: 前列・後列問わず、敵の前列・後列に攻撃可能。
あまり見慣れない「お金」コマンドは、その敵を倒したときに手に入るはずだったお金(ポッチ)の3倍を支払うことで確実に逃げられるというもの。
ピンチだったら背に腹は代えられない・・・!
また、格下の敵相手には「逃げる」コマンドが「逃がす」コマンドに変化して、100%成功するようになります。
しっかり育成してからボスに挑戦するタイプの筆者的にはレベル上げの目安になるのでありがたいです。
攻撃や回復スキル、自動発動などさまざまな種類がある「紋章」
「幻想水滸伝」シリーズ特有のシステムが「紋章」です。
いわゆる“特技”や“呪文”のような位置づけで、一部のキャラクターが固有で所持しているほか、アイテムの「封印球」を装備することでも使用可能になります。
「封印球」は紋章屋で簡単に付け外しできるので、各キャラクターと相性の良い紋章を模索するのが楽しいんですよねぇ。
MPは右上の体力バー横にも表示されています。
なお「幻想水滸伝 I&II HDリマスター」早期封入特典には追加コンテンツ(57300ポッチ/幸運の封印球/金運の封印球)が含まれています。
幸運の封印球は獲得経験値が2倍に、金運の封印球は獲得ポッチが2倍になるので、とりあえずこれらを装備するだけで旅が楽に!
見ているだけで楽しい「いっしょに」
特定のキャラクターを同じパーティー内に編成することで「いっしょに(協力攻撃)」が可能になります。
協力した人数分の行動を消費しますが、そのぶん強力な効果を発揮するものが多いです。
特に「幻想水滸伝II」では「幻想水滸伝」に比べてアニメーションが強化されているので、見ているだけでも楽しいですよ!
おまかせと倍速でサクサクバトル!
「幻想水滸伝 I&II HDリマスター」の大きな新要素として、おまかせの即時実行と倍速機能の追加が挙げられます。
戦闘を自動で行ってくれる「おまかせ」が1ボタンで実行可能になり、戦闘中の倍速機能と合わせることでレベル上げやドロップアイテム狙いの連戦がとても楽になりました。
(これを使ってもなお“名無しのつぼ”のドロップには30分弱かかりましたが・・・)
即時実行したおまかせバトルは戦闘が終わるまで継続しますが、再度おまかせボタンを押すと現在のターンで中止されます。
紋章や協力攻撃は使用してくれませんし、狙うターゲットもかなり分散してしまうのでご利用は計画的に!
なお、2倍速はゲーム開始直後から使用可能ですが、とある条件を満たすと4倍速も使用できるようになります。
「幻想水滸伝」「幻想水滸伝II」で“早い”といえば・・・?
もちろんミニゲームもHDリマスター
3月6日発売の「幻想水滸伝 I&II HDリマスター(@GensoSuikoden)」を先行プレイ🎮
もちろんコイン当てやチンチロリンも高画質化されています🎉
PC版だと60FPSで遊べることも確認したので、オリジナル版より簡単なの・・・かも?#KONAMI #幻想水滸伝 #コイン当て #マルコ #ポッチ稼ぎはガスパー pic.twitter.com/iAu2cthyt7— Saiga NAK (@saiganak) March 5, 2025
「幻想水滸伝」「幻想水滸伝II」ではコイン当てやチンチロリンなど楽しいミニゲームも豊富です。
もちろんグラフィックが高画質化されています!
Steam版では60FPSまで出ているようなので、コイン当てが攻略しやすいかも・・・?
報酬としてポッチやアイテム、装備がもらえるものばかりなので積極的に活用していきましょう。
安心してください。ガスパーはガスパーでした。
セーブデータは16スロットでオートセーブも
「幻想水滸伝 I&II HDリマスター」のデータは16スロットまで保存可能で、宿屋や旅の封印球からセーブできます。
さらに、旅の封印球があるエリアに入ると0スロット目にオートセーブされるという新機能も!
ちょっとした選択でストーリーが分岐する「幻想水滸伝」「幻想水滸伝II」において、こまめなセーブは何よりも重要。
どことは言いませんがオートセーブに助けられる場面もありました。
オプションには「イベントタイマー停止」が!
「幻想水滸伝II」に“イベントタイマー停止”機能が搭載!
今作ではプレイ時間と別にイベントタイマーが動いており、オプションから簡単に停止できます。
これを活用すれば、プレイ時間に応じて分岐してしまう一部のイベントに急かされることなくたっぷりストーリーを堪能できそう!
また、タイトル画面のオプションでは・・・
- メッセージスピード(速~遅/3段階)
- ウィンドウの濃度(薄~濃/5段階)
- SEボリューム(小~大/10段階)
- BGMボリューム(小~大/10段階)
- 操作設定(Aタイプ/Bタイプ/Cタイプ)
- ディスプレイモード(ウィンドウ/フルスクリーン)
- 解像度(※編集部では1280×720~3840×2160を確認)
- プレイ言語(日本語、英語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、スペイン語、繁体字、簡体字)
・・・を設定可能。
ディスプレイモードと解像度はPC版のみに搭載されているものと思われます。
ギャラリー機能でイベントシーン振り返り
- フィールドやバトルなど160種類以上のBGMが聴ける「サウンドモード」
- リマスター版はもちろん、オリジナル版のオープニングも鑑賞できる「ムービー」
- シナリオ中の特に重要なイベントをもう一度体験(操作や選択肢の決定も)できる「イベントビューワー」
- 「幻想水滸伝」「幻想水滸伝II」それぞれのエンディングを再生できる「エンディング」
- 「幻想水滸伝」「幻想水滸伝II」それぞれのスタッフロールを再生できる「スタッフロール」
「幻想水滸伝 I&II HDリマスター」を起動すると「幻想水滸伝」と「幻想水滸伝II」のほかにギャラリーが選択できます。
圧倒的な収録数を誇るBGMは必聴ですし、ストーリープレイ中には選べなかった選択肢や行動を試すことができる「イベントビューワー」機能は非常に助かりますね・・・!
出会いと別れ。それは運命か必然か
主人公の少年は、その手に紋章を宿したことで逃れられない運命の渦に巻き込まれます。
それは必然なのか?それとも抗う術があるのか?
それぞれに想いと背景を持つ108の星たちが戦いのなかで得るものとは・・・。
記事内では“不便さ”にも言及しましたが、最初から使えるダッシュや倍速機能のおかげでオリジナル版よりもサクサク進めることができます。
レベル上げや装備更新にかかる時間は一般的なRPG作品に比べても短い部類なので、RPG経験者であれば両タイトル合わせて30~50時間ほどでクリアできるでしょう。
ただし初見で108人すべての仲間たちを集めるのは極めて不可能に近いです。
各キャラクターに物語と魅力があるからこそ、発売から30年経った今でも愛され続けている超名作。
全てがネタバレになりそうなのでこのくらいにしておきますが、何度でも遊びたくなる重厚なストーリーの顛末はぜひその目でお確かめください。
「幻想水滸伝」と「幻想水滸伝II」がセットになった「幻想水滸伝 I&II HDリマスター」は2025年3月6日(木)にNintendo Switch、PlayStation 5、PlayStation 4、Xbox Series X|S、Xbox One、Windows、Steam、Epic Games Storeで発売されます。
詳しくは「幻想水滸伝 I&II HDリマスター」や「幻想水滸伝」シリーズ公式X(@GensoSuikoden)をご覧ください。
タイトル概要 | |
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名称 | 幻想水滸伝 I&II HDリマスター 門の紋章戦争 / デュナン統一戦争 |
パッケージ版 | Nintendo Switch、PlayStation 5 |
ダウンロード版 | Nintendo Switch、PlayStation 5、PlayStation 4、Xbox Series X|S、Xbox One、Windows、Steam、Epic Games Store |
発売日 | 2025年3月6日(木) |
ジャンル | RPG |
CERO | C |
プレイ人数 | 1人 |