RTA in JAPAN 2019「ピカチュウげんきでちゅう」プレイ中の会場レポート!

イベント情報

浅草橋で開催された「RTA in JAPAN 2019」に行ってきました!
RTAイベントへの取材はサイガナック初。

eスポーツとはまた違った、その独特な競技スタイルをみなさんへお伝えします。
RTA in JAPANについては「RTA in JAPAN 2019イベントレポート&主催者へインタビューも!」でご紹介していますので、ぜひお読みください!

RTA in JAPAN 2019イベントレポート&主催者へインタビューも!

懐かしの名作「ピカチュウげんきでちゅう」でRTA!

一時Twitterトレンド1位になった「ピカチュウげんきでちゅうRTA」
Saiga NAK編集部

取材へ行った時間帯に配信されたのは、スピンスさんがプレイする「ピカチュウげんきでちゅう」のAny%RTA。
ピカチュウげんきでちゅうは1998年に任天堂から発売された、世界初の音声認識システムを採用したゲームです。
自分の声でピカチュウに話しかけながらゲームを進めていくという独特の操作スタイルで人気を博し、74万本の国内販売数を記録したヒット作。海外では「Hey You, Pikachu!」という名前で販売されていました。

左・スピンスさん、右・SaSaSaさん
Saiga NAK編集部

写真右がプレイヤーのスピンスさん、左は解説のSaSaSaさん

スピンスさんはこのピカチュウげんきでちゅうで世界2位のタイム、1時間10分18秒を記録しています。
SaSaSaさんは1時間14分44秒で世界5位。ピカチュウげんきでちゅう以外にも、世界でもトップ10に入る実力者たちが勢ぞろいなところも、RTA in JAPANのすごさですね。

スピンスさんの隣で解説をするSaSaSaさん
Saiga NAK編集部

RTA in JAPANでは、プレイヤーのほかに解説者もつくのが面白さのひとつです。
プレイの解説だけでなく、ゲームのストーリーやそのRTAでのみ使われる用語の解説などもしてくれるので、プレイしたことがなくてもRTAを楽しむことができます。

独特の言い回しやおもしろいトークもまた、RTA in JAPANの名物。被り物やコスプレ、RTAにまつわるアイテムなどのネタを用意してプレイに臨む選手も多いんです。

解説の資料やメモが用意されていました
Saiga NAK編集部

ゲーム特有の用語や動き方がおもしろい!

圧縮言語「あ」を活用するスピンスさん
Saiga NAK編集部

ピカチュウげんきでちゅうは声を使うゲーム。
基本的には単語を認識して、それがピカチュウの行動に影響を与えます。
そうしてピカチュウとのおしゃべりを楽しむのがこのゲームの醍醐味です。しかし、今回はRTA。なにを言えば時間が短縮できるか研究が行われています。
たとえば、あいさつは「おはよう」「こんにちは」「こんばんは」のどれでも反応しますが、1文字の差を考えて「おはよう」を使うそうです。
最初のチュートリアルでも、何を言っても反応があるからと「あ」だけで済ませていたり、省略できる言葉は徹底的に省略しています。
独特のコミュニケーションをとりながらも円滑に進んでいく様子に、会場ではたびたび笑いが起こっていました。

ピカチュウの頭を見つめるRTA
Saiga NAK編集部

RTAでは処理落ちによるタイムロスも注意しなければいけません。
このシーンではピカチュウがものすごくアップになっていますが、これは他のオブジェクトを画面に移さないようにして、読み込みを軽くしています。それによって処理落ちを防げるそうです。

ピカチュウは自由に動き回っていますが、「かわいい」と言うとその場で照れて動きが止まります。
タイム短縮のために、無感情でひたすら「かわいい」と言い続けるスピンスさん。その後も、シーンの切り替えを早くするために、「だいきらい」と言ってピカチュウを怒らせ、早く去ってもらうなど、その落差にまた会場は大盛り上がり。
声を使うゲームならではのおもしろさですね。

視聴者コメント:「1ミリも感情のこもってない可愛い面白すぎるからやめてほしい
Saiga NAK編集部
視聴者コメント:「かわいい」「かわいい」「かわいい」「ピィカァ~(デレ)」
Saiga NAK編集部

トラブルもまた配信をおもしろくするスパイスに

「さっきまで大丈夫だったのに!」と焦るスピンスさん
Saiga NAK編集部

順調に行っているかと思いきや、突然マイクの調子が悪くなるトラブルも発生。
いくら話しかけても声が認識されません。

ゲームの特性上、声が認識されなくなるとまったくゲームの進行が不可能になってしまいます。
しかし、声をかけなくても勝手に狙っているアイテムを自分から集め始めるピカチュウ。
「優秀な個体を引いた!」と喜んでいるあいだに、マイクも復活。無事に再開されました。
「優秀な個体」と褒めつつも、別れ際の言葉はいつも「だいきらい」。そのギャップに視聴者も大ウケです。

機材は各自持ち込み。レアハード・レアソフトが持ち込まれること
Saiga NAK編集部

ちなみに、基本的にハードやソフトは各自で持ち込みになっています。
このピカチュウげんきでちゅうは発売からすでに20年が経っているため、カセットの劣化があったり、専用のマイクが壊れてしまったりすることも。

筆者もピカチュウげんきでちゅうは発売当初からプレイしていましたが、マイクの劣化でプレイができなくなっていました・・・。
こうした、古いゲームがぶつかるハード面の問題に関しても、さかんに情報共有が行われており、たとえばマイクであれば代わりにこれが使えるといったアドバイスも聞くことができます。

トラブルを乗り越え無事完走!

トラブルに見舞われながらも世界3位の記録を達成
Saiga NAK編集部

そしていよいよ終盤!
ラッパを吹いて喜ぶピカチュウに「なに笑ってんだこいつ」と言い放ったり、ピカチュウからプレゼントされたものを「ありがてえ!」と言いながら即座に捨てたりしてきたスピンスさん。
これもすべてタイムを縮めるため。RTA走者の鑑ですね。
しかし、まもなくクリアともなると、その目にはうっすらと涙が浮かんでいました。
目薬をさすような動作が前後にあったような気もしますが、やはり完走すると達成感から来る感動があるのでしょうか。

スピンスさん「感動してるとロスなんで」

世界記録1位保持者は最後まで冷静でした。1時間11分44秒で完走。
この記録は世界3位の記録だそうです。
マイクトラブルがなければ世界記録を目指せたと悔やんでいました。

どんなゲームでもRTAが楽しめる。お気に入りのゲームで挑戦してみよう!

会場も配信も大盛り上がりのピカチュウげんきでちゅうRTAでした
Saiga NAK編集部

配信中、Twitchの同時視聴者数は2万人を超え、Twitterでも「ピカチュウげんき」がトレンド1位になるなど、大きく話題となりました。

(お詫び:記事公開時、視聴者数が2万人を誤って3万人となっていました)

古くなったゲームですが、これを機にまた人気が出るかもしれませんね。
ほかにも、RTAで人気が再燃したゲームは多くあります。
昔からやっている、昔得意だったというゲームがある方は、もしかしたらRTAランナーとして輝けるかもしれません。

今後もますます広がっていくであろうRTAの世界。読者のみなさんもぜひ挑戦してみてください!

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©1998 Ambrella (Marigul)
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